本文を読む前に、みんなで話し合おう。
1. あなたは、どちらの手で字を書きますか。
2. 字を書く方の手は、字を書くほかに、どんなことをしますか。
3. もう一方の手は、どんなことをしますか。
4. 手の働きと脳 の関係はどうなっていると思いますか。
5. 将来、人間の手の機能 は、どうなっていくと思いますか。
手は左右 二本あるが、多くの人は右利き である。
その原因はいろいろ言われてはいるものの 、定説 はない。
北半球 では太陽の光を身体の右側に多く受けるので、右手が優位 になったと説く 人がいる。
また、人体 は心臓 が左に寄っている ので、左手は専ら 心臓 を守り、右手は道具を使うようになったのだと主張 する人もいる。
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右利き の人は、中心的な 細かい仕事は右手で行う。
矢 を射る 人は、右手で弦 を引き 、左手で弓を押さえる 。
読書 する人は、右手でページをめくり 、左手で本を支える。
このように大昔から 現代に至る まで右手は「分ける」こと、左手は物をつかみ 、全体をしっかり「押さえる 」ことをしてきた。
左手の働きは、補助的な ものではなく、良い効果 を得るためには不可欠な ものだ。
「分ける」前に「押さえる 」ことが先行 する。
そして、この二つの働きは、安定 し、うまく統合 されていなければならないものである。
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よく知られているように、右手は左脳 に、左手は右脳 に支配 されている。
左脳 には言語 中枢 があり、主に分析的 、理論的 な思考 にかかわっている 。
それに対して 、右脳 は、図形 や音楽など芸術的 な認識 や、直観的 、総合的 な思考 に関係がある。
左脳 ばかりを働かせる と、分析的 能力のみ が発達して、常識 には富むが、創造性 に欠ける ようになる恐れがある。
逆に、右脳 の働きばかりが強くなると、理性 よりも感情が勝つというような不安定な 性格になりやすい。
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