本文を読む前に、みんなで話し合おう。
1.太陽系 には、どんな惑星 がありますか。
2.あなたは宇宙人 がいると思いますか。
3.2.の答えを証明 することができるでしょうか。
4.もし、宇宙人 がいるとしたら、どんなメッセージ を送りたいですか。そのメッセージ は、どんな方法で伝えればいいでしょうか。
太陽系 が属する銀河系 は、いわば 一千億個以上の輝く 星が、直径 十万光年 にわたってちりばめられた 巨大な 集団 である。
一つ一つの星は、太陽と同じ恒星 だ。
そして、恒星 は、ほとんどが太陽系 と同じように惑星 を従えている 。
問題となるのは、その中にどれだけ、文明を持った宇宙人 の住む星があるかである。
これをめぐって いろいろな議論 があるが、生物の住む確率 や、文明の起こる確率 などを計算していくと、銀河系 全体の中には、最低 何十個か は、文明の存在する可能性 がある。
したがって、仮に、冒頭 のような質問を私が受けたら、こう 答える。
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「宇宙人 は確かにいる。いなくてはならない んだ。」と。
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人間が最初に地球外文明 の存在を期待 したのは、隣の火星 だった。
この星に火星人 がいるかもしれないと、世界中で話題 になったことがある 。
ことの起こり は、十九世紀 後半 にイタリアのある天文学 者が、望遠鏡 で火星 の表面 にしま 模様 を発見し、運河 のようなものがあると言ったことである。
どうやら 火星には運河 を造れるほどに高度な文明があるらしい、という話になり、やがて火星人 の存在が信じられるようになった。
運河 のみならず、一年を通じて 表面 の景色が絶えず変わっていること、特に地球で言えば南極・北極に当たる 極冠 が変化していることから季節変化が想像され、生物の存在が予想 されるようになった。
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火星人 が存在するという夢を完全に 打ち破った のは、米国である。
1960年代から多額 の費用 を投じ 、無人 探測 機 を次々と打ち上げ 、データ を収集 した。
その結果を分析 したところ 、運河 があるどころか 、月と同じく 無数 のクレーター があるばかりだった 。
また、地表 温度は零下百四十度で、大気は地球の二百分の一しかない。
しかも、その大気のほとんどは炭酸ガス だった。
要するに 、火星 は、地球よりもはるかに 寒く、大気の希薄な 荒涼とした 天体 だった。
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