本文を読む前に、みんなで話し合おう。
1. あなたは、どちらの手で字を書きますか。
2. 字を書く方の手は、字を書くほかに、どんなことをしますか。
3. もう一方の手は、どんなことをしますか。
4. 手の働きと脳 の関係はどうなっていると思いますか。
5. 将来、人間の手の機能 は、どうなっていくと思いますか。
こう見てくると 、右手と左手、右脳 と左脳 がバランスよく 補い合い 、協調し合っ てこそ 健全な 精神 活動 ができるといえる。
心を 統一 したり、神 に祈り をささげたり する時合掌 するという我々の行為 は、まさに このことを象徴的に 物語っている 。
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さて 、現代はどうなっているのか。
このように優れた手の働きが次第に 危機的 状況 になっている。
家庭にしても 職場 にしても 、エレクトロニクス によって自動化 されるにしたがい 、手が使われなくなった。
この状況 が続いた末には 、両脳 はすっかり怠け者 になり、やがては退化 してしまうにちがいない。
現に 日本の子供たちは、鉛筆を削る ことも、果物の皮をむく ことも、はしで物をつまむ ことも、ふろしき で物を包むことも、服を畳む ことも、すべて手を使うことが下手になっている。
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自動販売 機 の前で、ボタンを押して品物が出てくるのを待っている人をよく見かける 。
実験用 の猿 がレバー を押しては 出てくるえさ を食べるシーン をつい 連想 してしまう。
人間の優れた手は、機械 文明 によって辱められている ようだ。
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