本文を読む前に、みんなで話し合おう。
1. あなたの国では、話す時、どんな身振り を使いますか。その身振り にはどんな意 味がありますか。
2. あなたの国では、あいさつをする時、普通は、相手の人と自分の間にどのぐらいの距離を置き、どのようにあいさつをしますか。
3. 国や地方、地域によって身振り の意味が違うのは、どのような理由からだと思いますか。
「目は口ほどにものを言う」 ということわざがある。
これは、感情 のこもった 目つき が、口で言葉を伝える のと同じ程度の働きをする という意味である。
このほかにも 、身体 の部分を表す 言葉を含む 言い方には、「耳を 傾ける 」「胸を張る 」など、心の動き や状態 を表す ものが少なくない 。
このような表現 は、意志 や感情 を伝達 する時に、身振り が助けたり、支えたり していることを示している 。
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我々 の生活の中でよく使われるのは、顔や手を使う動作 であろう 。
首を縦の方向 に動かせば 、相手の言うことを認めた、即ち 賛成 したことになる。
横に振れば 、反対 だということを示す。
人差し指 を唇 のところに当てる のは、静かにしろ 、しゃべる な という合図 である。
恥ずかしい時には、手で頭をかく こともある。
仮に 、これらの動作 を全く 借りずに話をしようとしたら 、うまく いかない だろう。
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これらの動作 がそれぞれの意味を表す のは、長い間の習慣によってできた 共通の 約束ごと だからである。
だから、文化の異なる民族 の間では、同じ身振り が別の 意味を持つことも珍しくない 。
日本では、手であご のあたり をなでる のは得意な 様子を表す ことがある。
ところが、イタリアでは、話が長くて、退屈 だという意味になる。
これは、退屈 な話を聞いていると、ひげが伸びる という伝説 があるためである。
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