本文を読む前に、みんなで話し合おう。
1. あなたの国では、どんな材料を使った家が多いですか。
2. あなたは、北極圏 にある雪の家を知っていますか。
北極圏 に住む人々は、なぜ、雪を住まい の材料にしていたのでしょうか。
3. 住まい を作る材料は国によって、または 地方によって違います。それはどうしてだと思いますか。
ところで 、日本の住まい はどうだったのか。
まず気候の面から考えてみよう 。
日本の冬は、寒いといっても 、東京でせいぜい 零下五、六度 程度だから、着るものを工夫するとか、火をたく とかによって 寒さをある程度は 防ぐ ことができる。
ところが、夏は、気温 が高い上に 、湿度 も高いため 、大変蒸し暑く感じられる 。
そこで 、昔の日本人は、夏を涼しく、清潔に 過ごせるように工夫をした。
昔ながらの 日本家屋 の取り外し のできるふすま やしょうじ 、少ない壁、これら はすべて 風を通す ため、役に立つ のである。
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次に、材料の面から考えてみよう 。
これは、どの地域 でも、容易に 手に入れられる ものを利用していた。
北極圏 の雪、東南アジアの竹や木などみなそうである。
日本も例外 ではない。
外国の人は、よく、日本の家は木と紙でできていると言うそうだが、昔ながらの 日本家屋 は確かに 大部分の材料がそうである。
殊に柱 など骨組み は、ほとんどが木材 である。
これは、日本には昔から建築 に適した 木が豊富だったということが大きな理由であろう。
しかし、木造 の家屋 は、土台 が腐りやすい 、火災 を起こしやすい などという欠点 もある。
地震や台風で倒される 恐れもある 。
そこで 、最近では、金属 やセメント など鉱物質 の材料を多く用いている。
これは、日本の工業が発展 し、交通も発達 して、さまざまな 材料が遠く離れた ところからでも楽に入手 できるようになったからである。
また、外国の影響を受けて 、西洋風 の生活様式 を採り入れた 結果 でもある。
もっとも 、鉱物質 の材料を用いた家屋 には、通風 が悪くなりがちで 、湿気 が多くなるというような短所 もあり、どちらがいいとは単純には 決められない。
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長い歴史の間に、住まい は、単に 自然から身 を守るばかりでなく 、生活を豊かにするものとなってきた。
今後も 、いっそう丈夫で、合理的な 、楽しい 住まい を目標 に工夫が続けられていくことであろう。
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